ミシガン湖のほとりにある観光地ホランド(Holland) にある、Windmill Island Gardens
今年のチューリップ祭(Tulip Time Festival 2014)は、5月3日〜5月10日。
このお祭りが来ると、ああ、やっと春が来た、と思う。
ほんとにミシガンは春が遅い。ミシガンだけじゃない。アメリカ北東部は甲乙はあれ、だいたい似たり寄ったりの気候だろう。今年は特に遅い。これを書いている今、4月下旬、今年はまだ桜も咲いていない(涙)。。。北海道に住んでいるのだとでも思えば、気が楽になる?
ホランドは、まるでオランダに来ているよう。。。とまでは言えないが、でも楽しい近場の観光地である。
特に、この風車(De Zwaan) は、オランダから買った本物。ミシガンの片田舎でオランダの本物を見れるのは、いい!
250年前にオランダ(本物のオランダです)で建てられたこの風車。1964年にミシガンのホランドが購入して船で運んできたもの。オランダが風車を外国に売却することを禁じた後、その例外として売却を許してくれた、そして、オランダから外国の手に渡った最後の風車。
これらは、去年(2013年)チューリップ祭に行ったときの写真なのだが、インド人の観光客でごった返していて、おったまげた!
その数の多さからして、団体バスツアーか何かだったのかも。
その次に多かったのが中国人。
ああ、こんなにたくさんアメリカにいるのだよね、彼らは。カリフォルニアはインド系、中国系移民の人口がすごいが、今や中西部にもその波は押し寄せて来ているのだ、これがまさに今のアメリカなのだ、と実感させられた次第。まさかホランドで実感させられるとは思わなかったけど。
桜が咲き、チューリップが咲き、春爛漫。
今年は、5月3日までに桜、咲いてくれるのかなあ。。。今年の春はほんとに遅い!
風車を背景に、「Historic Dutch Trade Fair」なるイベントが開かれていた。
今年(2014)もあるそうで、今年は 5月3-4日とのことです。
北米は17世紀頃から毛皮取引をめぐって、イギリス、フランス、オランダなど欧州列強が入り乱れ、北米インディアンも交えて、儲かる毛皮取引の覇権をめぐって戦争が色々起きたらしいが、ミシガンもその争いの地のひとつだったのですね。ということは、1700年代、ミシガンでも開拓者たちがテント生活をしていた、ということだ。
開拓者たちも、このようなテントに住んでいた。ひえー。
当時のカヌーの再現
パン作りの実演。
おいしそう。
でも、ovenやbread maker、その他のelectric appliances一切なしで料理をするというのは、一体どれだけ大変だったことだろう(私の祖母はお洗濯を全て手で、洗濯板を使って、しかも子供を背中におんぶしてやっていたぞよ。腰が曲がるのも無理はない)
鍛冶屋の実演。
鉄砲。もちろん弾は抜いてあり。
アメリカ人の男性には、独立戦争や南北戦争のこととなると、目の色が変わる人たちがいる。
亭主の友人にも二人、そういうマニアがいて、バージニア州などの南北戦争の古戦場に行って、当時の兵士の再現服を着て、当時の鉄砲を再現した鉄砲をかついで行進したりして、その戦争がどういうものだったのかを肌で感じようという趣味活動に加わっている。そういうサブカルチャーが米人の間にあるのですね。
日本人は明治維新に対して特別な感情を抱いている(と私は思うのだ)が、米国人は似たような感情を、特に南北戦争に対して持っているのではないかなと思う。
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うちの亭主も、案の定、目の色がみるみる代わり、興奮して鉄砲をかつがせてもらう。
説明してくれるのはボランティアのおじいさん。
みなボランティアなのだが、リタイアしてこういうボランティアをするのって、いいなあと思う。
勇猛さで有名なスコットランドのハイランダー(Highlander)兵士
傭兵としていろんな国で活躍(?)したそうだが、北米にも来ていたんだ。ハイランダー兵士が来ると聞くだけで人々は震え上がって逃げ出した、と聞くが、実演で振り回してくれた銃剣が、確かに、すごく恐ろしかったです。このオジさん、衣装がとてもキマってた。スコットランド系の人のボランテイアでしょうか? 子供達に熱心に説明をしていたので、見とれてないで、もっと説明に耳を傾ければよかった(笑)
独立戦争の衣装を来たボランテイアがあちこちに。
開拓時代実演ショーから、ギフトショップの集まる通りに戻る。なんかホッとする(笑)
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その昔盛んだった毛皮の取引(Fur Trade)で思い出すのが、毛皮の帽子のお店であったハプニング –
風車のたもとに、テントのお店がずらりと並んでいろんなものを売っていたのだが、そのひとつに、毛皮の帽子を売っているお店があった。
すべて本物の毛皮で作った帽子!
私は毛皮のものは買わない主義の人間なのだけど。。。
タヌキやら何やら、いろんな動物の毛皮の帽子やかぶり物がテント内にドッサリと積み重ねられて壮観であったが、これを見て「わーすごい」と簡単するか、「動物の虐待反対!」と逆上するかは、人によってそれぞれだろう。
中でもダントツは、クマのかぶり物だった。
本物のクマの頭だったと思う!
と、そこへ、若い中国人のグループがどやどやと入ってきて(たぶん大学生)、次から次へと違う毛皮の帽子をかぶってはスマホでお互いの写真をバチバチ撮って騒ぎ始めたが、そのうち、このクマのかぶり物に気づき、さらに大興奮。
グループの一人がクマのかぶり物をかぶって、クマのしぐさを真似して、グループの子達は大喝采し、写真をバチバチ。
その後ろに、店主のオジさんと、パートナーらしきオジさんの二人が、顔を真っ赤にして無言でジッと佇んでいた。。。
実は私も、この壮観な店内の写真を1枚撮りたいと思ったのだが、そんなことしたら店主の怖いおじさん達にギロリと睨まれそうで、しないでいたのだ。
それなのに、その中国人若者グループは、文字通り頭から湯気が立ち上っているようなおじさん達から噴出する怒りのオーラに全く気づかずに(または気にせずに?)、帽子の着用・写真撮影をしばらく繰り返した後、案の定、1点も買うことなく、どやどやとお店を出て行ったのだった。
若者のグループによくあることだが、お互いの存在、自分たちのことに興奮しすぎて周囲の人たちの感情に全く気づかない。心の余裕がない。そういうことは私も若い時にあった。周りの誰かにいやな思いをさせたことがあったかもしれない。その中国人の子たちも周囲がまるで目に入らない様子であった。若いから仕方がない面もあるだろうけど、気になったのは、その子たちが、甘やかされた中国の特権階級の傍若無人な子供達だったのか。。。である。そうでないと思いたいけど。
顔を真っ赤にして怒りを押さえていた店主のおじさん、なんかひとこと「あんたたち、もちっと遠慮してください」とでも言えばよかったのに。
私はその子たちに、「ちょっと、あんたたち、いい加減にしといた方がいいんじゃない?」と、言ってあげるべきかと思ったが、それは店主が言うべきことだろうし、また、その子達と同胞のような顔をした私がどんな良いこと(?)をしても、店主に感謝されないような気がして(考え過ぎ?)、オジさんを助ける気が萎えてしまって、私は傍観者でいたのだった。
近年アメリカに激増した中国人と、アジアから来たアジア人と交流したことがたぶん人生で一度もないであろう田舎の屈強な白人アメリカ人が対峙した、なんともヘンチクリンな出来事であった。
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アイデアマンのうちの亭主が、「いっそ、テントのお店はやめて、撮影スタジオを開いて記念撮影を撮ってあげて料金を取ったら儲かるんじゃない?スタジオの入場料を払わないと毛皮の帽子に触れられないようにしてさ」と後で言った。中国人の観光客は、ちょっとやそっとじゃお金を払いたくないだろうが(え?中国人だけではない?)、スタジオでクマのかぶり物をかぶっての記念撮影なら、お金を嬉々として払ってくれるかも?
どうでしょう? ただ、あのこわーいおじさんの店主には、そういう才覚はなさそうだ。残念だと思った次第。
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ああ、長々と書いてしまいました。ここまで読んでくれた貴方、どうもありがとう!
また、中国人のことを書きましたが、私は人種差別的なことを書いたとは思っていません。
あのオジさん、今年も出店するのかな。。。
チューリップ祭には、毎年行きたくなります。
今年(2014年)の開拓時代ショーのウエブサイト: Historic Dutch Trade Fair
おもしろく拝読しているうちに、わたしも旅行する先々で遭遇するシーンの描写に苦笑しました。帽子を置いている店主の方の頭から立ち上る湯気、他人事ではありません。それにしてもご主人のアイディア、いいですね~!
magnifikajp-san
読んでいただき、大変ありがとうございます! そうですね、旅をすると、いろいろなシーンに遭遇しますよね。このハプニングではかなりハラハラしましたが、そういうことをビジネスのチャンスと見ることができる人もいるのでしょうね。うちの亭主はアイデアは次々と出るのですが、実行がからきしダメな人間なので、実行型人間とコンビを組んでいれば、今頃は私も大金持ちの奥様になっていたかなあと。。。(笑)
ハウステンボス思い出しました(笑) 開拓時代の生活興味深いですね。昔の家事労働は大変。 今は洗濯機や電子レンジなどがあってよかったです(^_^;)