ヘミングウエイが青年時代に泊まったことがあるという、北ミシガンのペタスキー(Petoskey)にあるペリーホテル(Perry Hotel)に一度泊まってみたかったのだが、その夢かなう!
7〜8月の週末は、この辺のホテルの例にもれず満員だったが、9月初旬になんとか実現(これ、昨年の話です)
9月はもうバカンスシーズンではないから安くなるかと思ったが、なんのなんの、向こうも強気。1泊200ドル近くした。安めのランクの部屋にしたのに。
9月は、初老の夫婦の旅行客が多いらしい。子供たちが学校に戻って静けさを取り戻すのを見計らって、リタイアした人々が旅行に出かけるのだ、と、ホテルのスタッフのお話。
真っ白しろの、かわいいベッド
昔風のインテリアと薄型テレビが調和している?
なぜかパイナップルがテーマに選んであった。
バスルームのタイルや、ドアのノブにかけるサイン、全てに。
古ーいエアコン調節器も残してあって。
泊まったのは2階。
ヘミングウエイは、この廊下を歩いたのかも。。。と、ちょっとドキドキ(笑)。
1916年、ヘミングウエイがどの部屋に泊まったのかは、残念ながら、はっきり分からないようだ。100年も前の毎晩の客の滞在部屋の記録など、さすがにそこまで残っていないか。
エレベータの近くには、ピアノとソファ。
義母の住む老人ホームも、こういう風に廊下にピアノが置いてある。今のアメリカの高齢者層が若い頃は、ピアノが日常生活にとても溶け込んでいたらしく、こういうのを見ると懐かしいのではないかと思う。
廊下の突き当たりからは、ミシガン湖が見える。
晴天の日は、青い青い湖の色。
朝食を取ったホテルのレストランの入口。
ヘミングウエイもここで食事したのかな? ドキドキ。
チェリーバター(cherry butter)が供される。サクランボをバターに混ぜたもので、美味しい。
この地域はチェリーの大産地だから、チェリーと名のつくものなら何でも食べる!
他の泊まり客を見ると、ほとんどがリタイアした老夫婦、という感じ。
ホテル内のどこを歩いても人を見かけないのだが、レストランに行くと、突如、人がたくさんいて、おっとビックリする。
中庭
中庭で、貸切で食事したりできるらしい。
ペタスキーの鉄道駅(だった)の建物が、ホテルの真向かいにある。
100年も前は、シカゴ方面からの避暑客がこの駅でたくさん降りて来ていた。
昼間でも暗めの廊下は、夜になるとさらに暗い。が、逆に壁紙が引き立つようでもある。
9月はまだ、日没が遅い。ホテルの部屋から駅をぼけーっと眺める。
このホテルの創業者のペリー氏(Dr. Norman Perry)の写真が、ホテル内に掛けてある。
彼はペタスキーの歯医者さんだったのだが、歯医者をやめてホテルを始めたのだそうだ。
ある日、ある女性患者が、歯を11本抜いてくれとやって来たので、その通りにしてあげたら、その患者、抜歯が終わって患者用イスから立ち上がり、数歩歩くや否やフラフラと倒れて、そのまま、その場で死んでしまった(あまりのストレスにか。しかし、なんで11本も一気に抜いてほしかったのだろう)。
ペリー氏が悪いわけではなかったのだけれども、さすがに彼はペタスキーでは歯医者業を続けれなくなって、いったん町を去ったのだが、数年後にまた戻って来、ホテルを立てた(1899年)。歯医者からホテル経営へ、という発想がすごいと思うが、でも、当時はこの町は大変なるリゾート地だったので、そんなに奇抜な発想ではなかったのでしょうかねえ。
第一次大戦後、景気が悪くなり、ペタスキーのホテル業も難しくなって、ペリー氏はホテルを医者2人(兄弟か)に売却。この医者2人は、ペリーホテルを病院に改造したかったのだが、町のビジネスマン達に懇願されてホテルのままにしておくことにした、そうだ。
歯医者や医者がホテル業に大いに関わっていたのが、面白い。
裏口から駐車場へ。
高級車にあふれていた。ベンツにBMWにレクサス。
我々の車の隣にはポルシェが停めてあった。50〜60才代とおぼしき、日焼けしてスタイリッシュな夫婦がさっそうとポルシェに乗り込み、どこかへ去って行った。
100年(以上?)前の、ホテルの宿泊客がせいぞろいの写真。昔は、本当にきちんとした服装してたんですね。
(思い出せば、自分の子供時代も、親に街に連れて行ってもらう時は、「お出かけ」といって、かしこまったワンピースやツーピース、帽子、そして革靴の(ような)靴を必ずかされていた)
関連投稿記事:ヘミングウエイが泊まったホテル Hemingway & Perry Hotel@Petoskey
ホテルのバルコニーからのミシガン湖の眺め、いいですね。
どのフォトも美しい。誘われます・・・
ありがとうございます。被写体が美しければ、どんな下手なカメラマンでも良く撮れます笑!
真っ白なベッド、家具も白くて素敵だね。
ホテルではお客さんをあまり見かけないのに、
食堂ではたくさんの人に驚いたりと、
なにか、旅気分を思い出させてくれたよ!
インテリアはかなり改造されているそうですが、それでも、枠組みは昔のまま。歴史ある古いホテルに泊まるのは楽しかったです。ヨーロッパの比じゃないけど、アメリカにも古いものはある!
つくしギャル様
初めまして。「シカゴ・デトロイト便利帳」という生活情報誌を年1回発刊しております、Y’s Publishing(http://www.us-benricho.com) 編集部の伊藤と申します。
突然のご連絡すみません。
弊誌では次号便利帳(2月締め切り、3月発刊)にご協力いただける方を探しております。
ミシガン州における実際の暮らしの様子や、おすすめ情報(レストラン、ショッピングスポット、グロッサリー、観光スポット、日々の過ごし方など)を教えて頂いだくことはできますでしょうか。アーカイブをいくつか読ませていただきまして、ヘミングウェイの泊まったホテル、ソーガタック、ワイナリーなど記事を興味深く読ませていただきました。私どもはオフィスがニューヨークのため、あまり実際の生活の様子を知れないでおります。寄稿という形で1ページ書いて頂いてもいいですし、観光スポットやtipsを教えていただくのでも構いません。
何かご不明な点はお問い合わせくださいませ。
ご連絡お待ちしております。
Y’s Publishing 伊藤
伊藤様、こんにちは。どうもありがとうございます。了解しました。喜んで、お手伝いさせていただきます。では、これより先は、メールにて直接やりとりいたしましょう。よろしくお願いします。