独立記念日の週末、ミシガン湖のビーチタウン、セントジョセフ(St. Joseph)にいるお姑を訪問の際に、すぐ近くの小さな町、ベリエンスプリングス(Berrien Springs)に立ち寄ってきた。
Berrien Springsは、セントジョセフ川(St. Joseph River)が流れるミシガン州南西部の小さな小さな町なのだが(人口たったの1800人)、元ボクシング・ヘビー級チャンピオンのモハメッド・アリ(Muhammad Ali)がこの町に住んでいたことで、結構、有名なのである。
町の公園がセントジョセフ川の横にある。
セントジョセフ川は、もっと下流になると、白人・黒人の対立の歴史で有名なセントジョセフ(St. Joseph)とベントンハーバー(Benton Harbor)を分け隔てる川でもある。
この川のどこかに面して、モハメッドアリのお屋敷の波止場がある。
実は住所は公に分かっているようだけど、私はそこに行ってみる機会はまだない。1975年に40万ドルで買ったと言われる85エーカーの土地とお屋敷。アリさんは2006年にパーキンソン病が理由でアリゾナ州フェニックスに引越したそうだが、今年6月に亡くなった時、地元の人たちが彼の「estate」の門で敬意を表している写真が地元の新聞に報道されているので、「estate」と言うからには、2016年に亡くなるまでずっと、アリさん(と奥さん)の所有だったようである。
上の写真は、セントジョセフのダウンタウンにあるアイスクリーム屋さん「Kilwin’s」に飾ってあったもの。
アリさんは、セントジョセフのダウンタウンに、アイスクリームを食べに来るなど、よく現れていたそうだ。地元のマクドナルドにハンバーガーを食べに来たり。
こういう田舎町というのは、地元民はパパラッチみたいに騒がず追いかけずなので、超有名人にとっては、ふらーりと外出できてリラックスできてよいのかもしれない。
彼と奥さん(4番目で最後の奥さんですね、確か)との子供さん(息子さん)はこの小さな町の地元の学校に通い、アリさんは地元の学校や公園に多大の寄付をして(匿名で)、地元の青少年を随分助けてあげたそうだ。
(デトロイトニューズは、ちゃんと報道していた (^^)
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しかし。。。。
一体なんでこの町に住みたかったのだろう??
シカゴ人たちがミシガン湖と反対側のミシガン州南西部に別荘を持ちたがるという話は聞くが、しかしなぜ、この小さな町に? とお姑に聞いたら、「アルカポネがその家に住んでいたのよ。そんな曰く付きの家だから、モハメッドアリが買ったのよ。」 へええええ!!
実はお姑さんはちょっと間違っていて、本当は、アルカポネ自身ではなくてアルカポネのボデイガードだったそうだが。(どっちでも同じことか)
じゃ、アルカポネのボデイガードはなぜこの町を選んだのか?
この地域は、アルカポネ自身もウロウロしていたようである。
ベントンハーバー(Benton Harbor)のホテルにアルカポネが泊まったこともあるそうで。ゾッとしますねえ。
アルカポネ達は、このお屋敷の地下室にトンネルを作り、もし警察でも来たら、そのトンネルからどこかへ逃亡できるようにしていたそうだ。禁酒時代に酒の密輸で大稼ぎをしたカポネ一団のこと。シカゴとは別の州管轄の、眠くなるような田舎町にトンネル付きの家を持っておくというのは、良いアイデアだったようである。
今でもそのトンネルあるのかなあ。見てみたいなあ。そのお屋敷、記念館にでもして一般人が入れるようにしてくれないかな、とマジで思います。
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モハメッドアリのお屋敷については、うちの亭主の家族に伝わるお笑いエピソードがありまして:
私のお舅さんは、生前、カヌー大好き人間だったのだが、息子(つまり私の亭主)とセントジョセフ川でカヌーを漕いで遊んでいた時のこと、ベリエンスプリングの町を通過し、モハメッドアリのお屋敷の波止場を通りがかったので、お舅は茶目っ気をむらむらと起こし、波止場に(無断で)上がり込んでアリさんのお屋敷を塀ごしにのぞいてみようとした。するとアリさんのお屋敷のガードに見つかって、「出てけ!」と怒鳴られ追い返されたとのこと。ああ、恥ずかしいねえ。
「ここがモハメッドアリのお屋敷」とお舅は知っていたし、わりと誰もが知ってたみたいです。
さて、公園をぐるりと見渡すと、
中国人のグループがバーベキュー(cook out)を楽しんでいた。
学生達のように見える。
この町には、昔から、留学生が多い。
とりわけインド人が多いそうだ。アンドリュー大学(Andrews University)に留学してくるアジア人たち。
Seventh-Day Adventist というキリスト教の一派の大学が、ベリエンスプリングスにある。Seventh-Day Adventistは、ちょっとカルトっぽい宗派らしいが、その大学は大きく立派で、キャンパスの美しさに感嘆する。
なぜインド人がこの大学に留学してくるのかは知らないのだが、アジアからの留学生が多いおかげで、町のダウンタウンには東洋食料品店がある。
お店に入ってみた。
品ぞろいはあまり良くないけど、アメリカの田舎に住むと、どんな東洋食料品店でもありがたいものだ。
私も昔、この地域に住んだことがあるが、「国宝」ブランドの白米が買えるだけで、とびあがるほど嬉しかったものだ。アジア人が少なかった昔のアメリカでのアジア人の暮らしぶりは多分こんなだったか、と考えさせられるようなお店。
空腹だったので、お餅を買った。柔和なインド系の店員さん。とても親切でした。
ちっちゃな、でも清潔でかわいらしいダウンタウン。
「Berrien Springs」の給水塔 (water tower)
参考記事:
Muhammed Ali was a great Michigan Neighbor (The Detroit News)
Muhammad Ali displayed his generosity and left his mark on Michigana (South Bend Tribune)
Ali move could sting Southwestern Michigan area (SouthBendTribune.com)
あのモハメド・アリも住んだ町なんだね。
大学もスケール大きいね。建物が見えないってのがすごいね。
移動するのも車が必要だね。
モハメドアリが、こんな小さな地味な田舎町に、信じられないでしょう。大学のキャンパスは巨大ですね。車社会ですからね。