果物の宝庫 ミシガンの秋 – でも今年は。。。Big Fruit State, Michigan – But This Autumn…

For English, please click here!

はやもう9月も中旬。

店頭がミシガン産リンゴで賑わう時。。。

おっと、上のふたつの写真は、昨年(2011年)のものでした。

ミシガン南西部のColomaにあるFruit Acres Farmsというお店。

ハニークリスプ(honey crisp)という、大変人気の高い、そして私の大好物のリンゴが、お店に所狭しと並べてあった去年の秋。

さて次は、今年の写真(一週間ほど前に撮影)。

St. JosephにあるNye’s Marketの店頭。

何とも貧相だ。

数が少なく、リンゴの色や形も良くない。

リンゴの上に、説明が張ってある。

「4月に霜害、続いて干ばつ、ヒョウも降り、そして多雨。だから、今年は例年の5%の収穫しかありません。でも味に変わりはなく美味しいです。」

お店のマネジャーに話を聞いたら、あと2週間もしたら、リンゴはもう全部なくなってるよ、と(だから、早く買っときなさい)。ひどい年だった、と嘆いていた。凶作の年とは、こういう年を言うのだろう。

そしてこの日曜日、デトロイト近郊の Wiard’s Orchardに電話で「今年はリンゴのU pickはあるんですか?」と聞いてみた。「ない」との答え。「でも、アップルサイダーやドーナツは例年通り準備してるから、来てね!」

その2日後、Wiard’s Orchardのマーケテイング担当者がラジオに出演しているのを耳にした。「今年は3月に異常な高温が続いたのでリンゴが3月に開花してしまい、その後、4月の寒波で凍死してしまったため、リンゴは例年の20%しか木に成っていません。だから今年は残念ながらApple U-Pickはありません。3月に開花するなんて前代未聞のことで、事前に防ぐ手立てもありませんでした。でも、Cider Millは例年通りオープンしているので、皆さん、どうぞ来てください」と話していた。私のようにApple U-Pickがあるのかないのか問い合わせをしてくる人、来てみてU-Pickががないことを初めて知ってがっかりする人が多数出たので、ラジオでアナウンスすることにしたのかな?

****************************

Wiard’s Orchardだけではない、リンゴの大被害はミシガン州全体におよび、今年はリンゴ狩り(apple picking)をできない所が殆どだそうだ。

でも、リンゴ狩りはなくてもcider mill は例年通り営業している所が多い。

ただ、cider millで売っているアップルサイダーは、他州から仕入れたリンゴから作ったものである、ということだ。

収穫高は、果樹園によって少々ばらつきはあれど、例年の僅か10%前後とのこと。

ミシガンはワシントン州、ニューヨークに続き、全米3位のリンゴの大産地なのだが、今年のミシガンの打撃のひどさは、1940年代以来だそうだ。

近所のスーパーの果物売り場には、ミシガンのリンゴはなく、ワシントン州、ニューヨーク州のリンゴが山積みだ。「Locally Grown」と書いてある袋入りのリンゴがあったので、「おーっ」と喜んで手に取ってみたら、NY州産。いつもならNY州内で地元産として売る予定だったリンゴがミシガンに回された??

せめて、ワシントン州、ニューヨーク州が凶作でなくて、よかった。

****************************

リンゴだけでなく、サクランボやモモ、ナシ等も、3月の高温で大被害を受けた。収穫は同じく例年の僅か10%前後。

8月頃、近くのスーパーで売られていたモモ。いつもならミシガンのモモが出回る季節だが、今年は全てワシントン州産のモモだった。

店員に「ミシガンのモモはないの?」と聞いたら、「そういやあ、今年は全然ないですねえ」

ワシントン州産のモモが売られているの、初めて見た。

ミシガンはサクランボの大産地でもあるのだが、今年の初夏、店頭に積まれたのは、やはりワシントン産ばかりだった。

そして、お値段も高め。

傍に積んである段ボール箱に「ワシントン州」とあった。

ワシントン州は豊作だったのかな? (いつもは高価なRainier cherriesが、$2.99/lbと、超特価だったのが不思議)

*******************

今年の3月、真夏のような日が2週間ほど続いたのを覚えてますか? 華氏80度を超える日も出現して、シカゴのビーチで人々がビーチバレーボールを楽しんでいる様子がTVニュースで報道されていた。「3月でこんな天気、初めて!」

今年の3月は暖かくてラッキー!多くの人が喜んだ。でも、果樹園は心配で夜も眠れなかったに違いない。「このままこの高温が続いたら、果樹園の木々が開花してしまう。。。」

そして、恐れていたことが現実となった。2週間のheat waveの終わり頃に、ついに桜が開花してしまった。リンゴが開花した。モモが開花した。ナシが開花した。普通なら4月末から5月が開花なのに、一ヶ月以上も早すぎた。

真夏のような気温が2週間も続いたので、果物の木々はすっかりだまされてしまったのだ。

そして4月、(毎年起きることだが)氷点下を割る夜が到来、多くが受粉する前に凍死してしまった。

ミシガンの気候は冷涼。ここの4月は寒い。

だから、ミシガンの開花時期は4月末から。3月に開花しては絶対にイケナイなのだ。

果物の被害の総額は推定224万ドル。Snyder州知事は、連邦政府に救済措置を申請した(知事は共和党。共和党は「小さな政府を」がスローガンなのに、災害で被害が出るとすぐに連邦政府に救済を頼みたがるのはなんで?)。

秋が来ても、木々にリンゴが成っていないのは、なんと寂しいことだろう。

****************************

3月に前代未聞の高気温が2週間も続いたのは、ジェットストリームの位置の異変、そしてジェットストリームが同じ位置に長期間停滞したことが原因だそうだ。

ジェットストリームの異変は近年多い。昔なら、例えば3月にはジェットストリームは必ずこの位置にあったのが、今は違う位置にある、そして、なかなか動いてくれない。停滞するので異常気象を起こす。最近、洪水や干ばつ等が異常に多いのは、ジェットストリームと関係があるらしい。

そして、ジェットストリームの異変は、北極圏の温暖化と関係がある可能性があるそうだ。

詳しいことについては、このブログはそういうことを論じるブログではないので、割愛。

仮に温暖化が原因だとしても、3月に高気温の日が2週間も続くことが、突如、毎年起き始めるようなことはないよね!(ないでほしい)。

来年も同じことが3月に起きないよう、祈りたい。

大好きなミシガン産ハニークリスプが来年は店頭にたくさん並びますように。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

参考文献:

The Wall Street Journal article on Jun 1, 2012

The Detroit News article on Sept. 3, 2012

Climate Central article on Mar 26, 2012

Earth Institute Columbia Univ. blog on Mar 7, 2012

Think Progress article on Aug 22, 2012

About tukusigal

もう長いことミシガンに住んでいる日本人オバさんの、自分なり、それなりのミシガン湖地方見聞記でーす。I am a long-time resident of Michigan. I am here forever. A middle-age Japanese woman. I love Imari porcelain, so my profile photo is an Imari vase which I bought in Imari, Saga, Kyushu, Japan. When I retire (when...?), I reveal my photo - but by then I may be too wrinkled (lo).
This entry was posted in ミシガンの果物 (Michigan Fruits) and tagged , , , , , , . Bookmark the permalink.

2 Responses to 果物の宝庫 ミシガンの秋 – でも今年は。。。Big Fruit State, Michigan – But This Autumn…

  1. Happyuan says:

    今年は高いといっても日本より安そう…

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s