北ミシガンに、(ミシガン州人に)人気のスキー場、Boyne MountainとBoyne Highlandsがあるが、そのもう少し北に、ペタウスキー(Petoskey)という町がある。
このペタウスキー(Petoskey)はリゾートタウンで、夏は避暑客で賑わう。
避暑って。。。!! 私のような暑い暑い夏の日本から来た人間からみれば、ミシガンのような涼しい地に住んでいて避暑も何もないだろう、と思うのだが、もっと北のカナダ人でさえも「避暑」に夏は北上するらしい。「Go Up North」という表現はミシガン人がよく使うが、なんと、カナダ人も使うらしい!!! 私には到底理解できないことなのだ。
さて、このペタウスキーは、かの大文豪のヘミングウェイが、子供時代、毎年夏、家族とともにバカンスに来ていた所なのである。
より正確に言うと、ヘミングウェイの両親はペタウスキーのすぐ近くにあるワルーン湖(Waloon Lake) という湖のほとりにsummer houseを持っていて、ヘミングウェイは家族と一緒に毎夏、シカゴ郊外から(ヘミングウェイはOak Parkというシカゴ郊外で生まれ育った)汽車に乗って、蒸気船でミシガン湖を渡って、また汽車に乗ってはるばるやって来ていた。そしてそこに夏中滞在していたそうだ。
そして、ヘミングウェイが青年の時に泊まったことのあるホテルが、Petoskeyのダウンタウンにある(上の写真)。
ペリーホテル(Perry Hotel)という、1899年築の美しいホテル。
1916年(つまり17才の時)、友人とはるばるイリノイから徒歩でキャンプしながらここまで来て、このホテルに泊まった後、Walloon Lakeのサマーハウスに向かった、ということだ。
ホテルの玄関口にあるサイン。
イリノイから徒歩で!! 健脚だなあ
ヘミングウェイは、魚釣りやら狩りやらキャンプやらをこの辺で散々楽しんだということで、かなりのアウトドア派だったのですね。(今の米国人にも、そういうこと大好きな人たちがたくさんいるなー)
さて、宿泊客ではないのだけど、図々しいかなとは思いつつ、ホテルの中に入って、うろついてみた。
ヘミングウェイは、このホテルで一泊75セント払ったそうである。えーと、1916年当時75セントって、安かったのか高かったのか、全然分からない。。。。(笑)
カフェテリア
昔の建物らしく、玄関に憩いのポーチ(Patio)があるのがいい。でも、夏でも夕方は私にはたぶん涼しすぎる。。。
ダウンタウンの東端にあるのだが、ダウンタウンの通りからすぐ見えてくる。
通りからちょっと見では、ふつうの(ちょっと安っぽい)ホテルかと思ったら、何の何の、中身は豪華だったので、びっくりした。そして、安くないです、ここ。
建物の作りが堅固で、しっかりしている。今のペラペラの作りのホテルとは大違い。
ホテルの北側には展望台があって、 ミシガン湖が一望できる。より正確には、Little Traverse Bayですかね。湖で「湾(bay)」というのも、すごいな。。。
ホテルの玄関脇に、冷涼地らしい花が満開。これ、去年の8月だったのですが
シャクヤクのように見えるけど、まさか、シャクヤクが8月に。。。(汗)
米国の内務省(Dept. of Interior) に、歴史遺産(National Register of Historic Places)として登録されているそうである。
また、1990年以来、「Hemingway Weekend」なるものが毎年開催され、このホテルはその運営本部となっているそうです。
Petoskeyのダウンタウンには、ヘミングウェイの足跡をたどるツアーもあるそうで、参加してみたいのだけど、英語ではちょっとしんどい。。。
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私が、Petoskeyがヘミングウェイゆかりの地であることを知ったのは、つい最近のこと。
なぜ、観光地としてもっと有名ではないのだろう。
これが日本なら、大文豪ゆかりの地ということで、もっともっと全国に名が知られているだろうに。彼が生まれ育ったシカゴ郊外の町だってそうだ。この辺の人たちは商売やる気ないのか、と時々思うことがある。そしてそれは、必ずしも悪いことではなく、そういうところが魅力的でもある。
さて、この夏は、ヘミングウェイ・シリーズをやりたいと思ってます。今年はバタバタしていて、思うようにたくさんは書けないのですが。 若い時にヘミングウェイをよく読んだ者として、彼が毎年夏を過ごした地が実は近くにあったというのは、感慨深いことです。次回以降、彼が行ったPetoskeyダウンタウンのレストランや、彼が少年時代足しげく通った駄菓子屋さんについて、書きたいと思います。
ペリーホテルのサイト: staffords.com/perryhotel
(夏は満員御礼、秋は秋で紅葉シーズンなので、それまた大人気のようです)
内装とても立派なホテルだね。
赤と白でシックな感じ。
外観はそうでもないのにね。
本当は中身が重要なんだと伝わってくるね~
観光地、有名だから行くのではなく、
自分でスポットを発見していく旅が欧米人は好みなのかな???
アメリカ人も流行を追いかけはしますが、日本ほどではない気がします。自分がいいと思ったら、それが有名でなくてもそれをフォローするという自我の確立しているところは、確かにあると感じます。自分が最初に発見したら、それを自分が世に広めてそれで自分が有名になれる(金持ちになれる)かも、という期待もあったりして笑
興味深い記事でしす。ヘミングウェイと聞くとヨーロッパやカリブ海周辺が浮かんできますが・・・
次回の投稿楽しみです!
ところで白い花、日本では「柏葉あじさい」とよんでいる植物に酷似していますが・・・どうでしょう?
ありがとうございます!「柏葉あじさい」ですか。magnifikajpさん、植物にお詳しいですね!私は初めて聞いた名前なのでインターネットで調べてみました。そのようにも見えますね。英名でoakleaf hydorangeeですね。まだ、これなのかどうかはっきりは分かりませんが、たぶんシャクヤクではないと思うので(いくら冷涼地だからって8月に開花するのはありえない。。)、そうかも。また行ってみたい所なので、今度はホテルの人に聞いてみなければ!