ヘミングウェイ行きつけの駄菓子屋さん Horton Bay General Store@Petosky, Michigan

ヘミングウェイは生まれてから成人するまで、毎年、両親・家族とともに北ミシガンのサマーハウスで夏を過ごしたが、その滞在中に足しげく通った駄菓子屋さん(General Store)が、今も当時の姿のままで、しっかりと存在している。

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ヘミングウェイの子供時代は1900〜1910年代。でも、このお店ができたのは1876年らしい。

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お店のオーナーは、当時から何度も代わっているそうだ。現在のオーナー夫婦が、お店の切り盛りをしている。長髪のヒッピーのような初老のおじさんとおばさん(おじさん、後方に小さく写ってます)。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA雑貨屋「General Store」というだけあって、いろんなものを雑然と売っている。コーヒー、ケーキ、クッキー、云々。

他のお店と違うのは、よくよく見るとヘミングウェイの写真や彼についての古い新聞記事が壁に飾ってあったり、絵はがきやマグカップも置いてあるところ。

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夏のバカンス地のゆったりした空気によくマッチ。

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何も知らない人が、ただの古いお店と思って「冷たい飲み物でも買おうか」と思って立ち寄ったら、このサインを見て仰天することだろう。

とにかく地味(low key)。

この辺一帯に、観光地らしい宣伝の看板は、全くない。

派手な観光地にしたくないようである。むしろ、人々は普通の夏のバケーション地としてこの辺に滞在したいらしい。実際、バケーション用貸コンドや貸家の広告がインターネットに載っている。この私だって、この地にコンドか家を1週間ほど借りて、夏を楽しむ事ができるわけだ。

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お店の奥でランチや朝食を食べることができるらしい。夏の週末は予約客でいっぱいとか。ったって、すごく小さなスペースだから、大した人数にはならない。

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中庭(patio)

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当時の写真。車がやっと登場し始めた頃。

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1980年代発行の地方新聞記事も壁に飾ってある。この地がヘミングウェイにゆかりがあることを紹介した記事。

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最初の結婚の時の写真も飾ってあった。

彼は4度結婚したが、その最初の結婚は、式をここで挙げて、ハネムーンはここWalloon Lakeのサマーハウスで寝泊まりしている。それも、床にマットレスを敷いて寝たという(!)。このようなハネムーンは、今の時代なら、絶対に新婦からブーイング(booing)されそうである(笑)

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雑貨屋の左隣。

ここに昔教会があって、ここでヘミングウェイは結婚式を挙げたのだと、雑貨屋のおじさんが教えてくれた。

その教会は、今から数十年前に、火事で焼失しまったとか。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA右隣は本屋さんのよう。バカンスで退屈して読むものがほしくなったら、ここで買いましょう、ということか。

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コーヒーを買う。といっても、「Humane Societyへの寄付」の形でお金をビンに入れる。

この雑貨屋の店主のおじさん、まるっきり愛想がない。にこりともせず、声もかけず(お客は他にいなかったのに)。売る気あるんかー。私がアジア人だから?とも思ったが(私はすぐそう勘ぐってしまう、ちょっと悪い癖)、アメリカ人の亭主にも同じように無愛想だったので、きっと、誰に対してもそうなのだろう。

しかし、おしゃべりの亭主がいつの間にか、おじさんをおしゃべりに引き込む。おじさん、「観光ツアーバスは時々ここに来るんだけど、お客さんたちはお店の中を見て回るだけで何も買ってくれない」とぼやき始める。

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そうか、観光ツアーにこのお店が含まれているんだ。やはり、米国人には、一応知られているのね、この辺りがヘミングウェイの子供時代の夏のバカンス地だったこと。亭主も実は以前から知っていた「ああ、けっこう知られているよ」。じゃ、なんで、もっと昔に言ってくれなかったんだっ。知らぬは無知なガイジンの我が身ばかりなり。。。

亭主はアメリカ人でその上おしゃべりなので、いろんなアメリカ人が亭主と打ち解けておしゃべりを始める。おかげで私は亭主を通じて、日本人だけなら得られないかもしれない情報を得ることがある。その情報を、こうしてブログで流しております(笑)。

店主のぼやきを聞いて、なんだか可哀想になって、マグカップ(mug)をひとつ買ってあげた(上の写真)。10ドルを優に超えるoverpriced mugなのに(私って優しいなあ)、このおじさん、嬉しそうな顔ひとつせず、「はあ、どうもありがとうございます」だけ。売れたのが信じられないかのように、ぼんやり無表情であった。この店主、商売に向いてない! だから、観光ツアーバスがここに止まっても人は何も買わないで去ってしまうんだー! なぜ、このおじさんとおかみさん、このお店を買い取ることにしたのか、よく分からないのだが。でも、やっぱり、ちょっと面白いお店でした。

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雑貨屋さんのすぐ傍にある、湖のビーチ。

これがWalloon Lakeかと思ったけど、違った。Walloon Lakeはもうひとつ隣にあるらしい。行ってみようとしたが、ナビを使ったにもかかわらず’迷ってしまい、諦める。この辺一帯の地理は分かりづらい。「ヘミングウェイが夏のバカンスを楽しんだ湖はこちらの方向」なんてサインがどこにも全くないのも、助けにならない。

サマーハウスも同じ。一般公開になっていなくて、道路に「ここがヘミングウェイのサマーハウス」なんてサインが立っているのでもなく、観光ガイドブックにも所在地さえ記されていない。ヘミングウェイの甥夫婦がその家に住んでいる、と読んだことがあるが、今もそうなのかは、よく知りません。

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当時の蒸気船の写真もお店の壁に。こういうのにイリノイ側から乗って、ミシガン側に着いたら汽車に乗り継いで毎年来ていたのですね。車が発達するちょっと前の時代のこと。たったイリノイからミシガンへの旅路も、なかなか大変だったようです。

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こんなにも地味(low key)で、観光地化していないことが驚きだが、これは、アメリカだからそうなのではなく、この地方の人たちの希望らしい。フロリダや他のヘミングウェイゆかりの地は、もっとヘミングウェイの名前を借りての金儲けに貪欲だそうである(でも、私は、ヘミングウェイが後年住んだお屋敷のあるキーウエスト(Key West)に行ったことがあるが、特に気になるレベルではなかったと記憶)。ミシガンというのは、とかく地味な所だなあと、私は常々思っているのだが、かの有名なヘミングウェイでさえも、ミシガン人の手にかかるとlow keyとなる。いつまでも、自然にあふれた静かな夏のバケーション地のままにしておきたいようだ。それは、きっと良いことなのだ。

 

ヘミングウェイは、夏を過ごしたこの土地を舞台に短編をいくつも書いている。これを読んでいる貴方、米文学を専攻した方とか、ヘミングウェイの大ファンなら、そんなこと、とっくにご存知ですよね。。。! 私は恥ずかしながら、ヘミングウェイが短編を書いていたということさえ知らなかった(笑)。いつか、読んでみよう。

この雑貨屋さんのサイト: hortonbaygeneralstore.com

関連post:ヘミングウェイが泊まったホテル (Hemingway & Perry Hotel @Petoskey)

Google Maps

 

 

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About tukusigal

もう長いことミシガンに住んでいる日本人オバさんの、自分なり、それなりのミシガン湖地方見聞記でーす。I am a long-time resident of Michigan. I am here forever. A middle-age Japanese woman. I love Imari porcelain, so my profile photo is an Imari vase which I bought in Imari, Saga, Kyushu, Japan. When I retire (when...?), I reveal my photo - but by then I may be too wrinkled (lo).
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2 Responses to ヘミングウェイ行きつけの駄菓子屋さん Horton Bay General Store@Petosky, Michigan

  1. キース says:

    白い外観のオシャレな建物だね。
    General Storeというのは雑貨屋かぁ。
    きっと自分の好きなものを売ってるんだろうね~
    そういうのいいなぁ。
    と思いきや、あんまりやる気ないんだね。
    エピソード面白く読ませていただいたよ!

    • tukusigal says:

      ありがとうございます!ひと昔前の日本にもよくあった駄菓子屋さんみたいですね。子供が親なしで自転車や徒歩でふらっと訪れることができるようなこういうお店は、リゾート地をのぞいて、今のアメリカにはもうないですねえ。

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