Tabor Hillワイン。
もう随分昔から、そこいらのスーパーのどこでも売られていて、あんなの安物のまずいワイン、とばかり思っていた。
実際試しに買ってみて、おいしくなかったからなのだが、考えてみれば、一番安いものを買ったからで、もっと高い値段のを試してみれば、違う印象を持っていたのかもしれない。
写真(上)の青いグラスが、Tabor Hilのトレードマークのようなもの。ミシガン南西部の観光パンフレットには、よく、この青いグラスの写真入りでワイナリーや試飲カウンター(tasting room) のPRが出ている。
この青いグラスに惹かれて、一度、訪ねてみてもいいな、と思っていた。
が、ワイナリーにレストランがあることは知らなかった。
カリフォルニアのナパバレー (Napa Valley) では、 いろんなワイナリーにレストランがあって、そこのワイナリーのワインを味わいながらおいしい食事ができるそうだ。
私はまだ、ナパバレーに行ったことがないけど、近場のミシガン南西部のブキャナン (Buchanan) という所で、同じことを経験できた!
ブドウ畑が延々と続く、インデイアナ州境に近いかなりの田舎をしばらく走る。
本当にこんな所にレストランがあるの? と思うような所に、Tabor Hillのサインが忽然と現れる。
小高い丘の上にレストランが。食事を終えたお客達が出て来るところだ。
たくさんの車が停まっていて、びっくりする。
ここに来るまでの田舎道には、車の1台も見かけなかったのに!
入口
ミシガン湖畔ワイントレイル (Lake Michigan Shore Wine Trail) に属しているワイナリーには、必ずこの青いサインが立てられている。
ミシガンにはワイントレイルがいくつかあるが、この辺一帯にはそのひとつ、Lake Michigan Shore Wine Trailがあり、12ものワイナリーが参加している。Tabor Hillもそのひとつで、ミシガンのワインメーカーの中では最大手のひとつだろう。
イリノイのナンバープレートが多い。この地域が、シカゴ近郊人の週末の遊び場であることが分かる。
Oakの樽が外に並んでいる。この中にワインがほんとに入ってるのかな? (^^)
観光者への見せ物、という感じではなさそうだ。
いよいよレストランの建物の中に入る。
右手にバーのカウンターがある所を通される。奥のつきあたりがレストラン。
左手にはテラス (terrace) が。
この日は4月の肌寒い曇りの日だったので、パラソルも閉じたまま。
ブドウの葉が生い茂った夏は、このテラスでぶどう畑を眺めながらの食事は、さぞかし楽しいことだろう。
いよいよ、奥座敷のレストラン。
ここでもブドウ畑を眺めつつ食事ができるよう、設計してある。
お隣のテーブルは、女性6人くらいのグループ。中には、おしゃれなドレスや帽子で着飾った女性がいて、女どうし、週末の小旅行か。欧米人はカップル文化というが、同性どうしのグループで楽しそうなのも結構見かける。
ドライリースリング(dry Riesling) を勧められ注文。
もちろん、Tabor Hillのワイン。
私はペカンをまぶして揚げたラズベリーソースのチキン+サツマイモ(sweet potato)とズッキーニ (zucchini)の角切りソテーの付け合わせを頼む。美味しい。しっかり訓練を受けたシェフがいることが推測できる味 🙂
亭主はグリッツ (Grits) という南部料理を頼む。 亭主はグルーテンアレルギー(gluten alergy) の持病を持つ。グルーテンフリー (gluten free) のメニューが置いてあり、亭主は狂喜する(最近米国ではグルーテンアレルギーと診断される人が増え、グルーテンの入っていない料理が流行り出しているのだ)。しかし、グリッツ (Grits) とはなんぞや? そんなことも知らないの、と笑うなかれ。ちょっと試食させてもらう。美味しい。
ワインは、どうせTabor Hillだからと期待しなかったのだが、驚いた事に、美味しかった。
ドライリースリングが自分の好みであることは、今回、初めて気づいたこと。
ウエイトレスさんに勧められたのだが、勧められた通りにすると、時々とても良い発見をすること有。
ミシガンのリースリングワインは美味しいと思う。きっと気候的に合っているのだろう。
お土産コーナー
チョコキャンデイも売っている。
ワイン飲めない人へのお土産にいいかも。
左側がワイン試飲カウンター (tasting room)。
人だかりで一杯。4月の肌寒い日ながら、熱気がムンムン。
この2本を買って家に持って帰る。
うーん、このラベルがどうも。。。いかにも近所のスーパーで売ってますという雰囲気で。。。安っぽい。。。もちょっと高級感のあるデザインにしたくないのだろうか?
アメリカ人には受けがいいのかな(うちの亭主は安っぽいとけなすが)。
でも、味は良いと思う。
要するに大事なのは中身? それとも、この素人っぽいデザインがかえって魅力か。それとも、一度定着したイメージだから変えない方がよい、という経営決断からなのか?
食事、買い物を済ませ、外を散策。ブドウ畑からレストランを見たところ。
道に出ると、また、にわかに深い田舎。こんな感じの田舎道を延々と走って、このレストランに辿り着くのだが、お客で賑わっていることなど、道路からは想像もつかない。
夏にもういちど行きたいと思うのだが、夏の週末は、2週間前から予約満員御礼なのだそうだ! ただし、それはデイナーのことらしい。ランチなら大丈夫ではないか?と思うが、保証はできません(今回我々が訪ねた日も、まだ4月だというのにデイナーは予約完売。ランチだから、何とか席にありつけた、という様であった)。
シカゴ近郊からは2時間ほどで着く。ワイナリーツアーは週末観光(weekend getaway)にもってこいだ。
デトロイト近郊からは、もうちょっと遠いが(3時間以上)、夏はミシガン湖ビーチと組み合わせれば、立派な週末観光となる。
この辺は、大変な田園地帯。ブドウ畑や果樹園がどこまでも続く。
ミシガン南西部が大農業地帯であること、デトロイトの自動車産業のイメージのミシガン南東部とかなり違うことを実感できる。
ただ、あまりに田舎なので、ここをドライブするのには、正直、少々勇気がいる。東洋人の自分は特にそうだ。ちょっと自意識過剰かもしれないが、無神経よりは少々心配するくらいの方がいいだろうと思う(考えてみれば、米国人女性だって、ひとりで深い田舎を運転するのは少し勇気が要るだろう)。米国人の亭主でさえ、深い田舎に入り込むのは、ちょっとナーバスに感じると言う。
あなたが女性なら、数人のグループで行くことを、または夫婦で行くことを、おススメしたい。
または、リムジンで送迎してくれるワイナリーツアーに参加するのもよいだろう。
または、こんなに深部まで入らなくても、もっと街中に試飲のお店 (tasting room) がいくつかあるので、そこを訪ねるのも良いだろう。
(試飲のお店は Saugatuck, Benton Harbor, Bridgman の3カ所にある)
しかし、いったんワイナリーのレストランに入ると、そこは都会的な空間だ。自分がガイジンであることも忘れてしまう。レストランのスタッフは、とてもフレンドリー。日本人に慣れているらしい 🙂 ワープール (Whirpool) という家電製品会社の本社がこの近くにあって、そこが日本からの出張者やゲストをよく連れて来るそうなのだ。
いやとにかく、週末に行ける近場に良いワイントレイルがあって、我々は恵まれています!!
写真(上)は、Lake Michigan Shore Wine Trailのパンフレットから。3番がTabor hill ワイナリーレストラン。3A (Benton Harbor)、3B (Bridgman)、3C (Saugatuck)が、試飲のお店。試飲のお店がもっと行きやすい街中に配置されていることが分かる。
このワイナリーレストランのサイト:http://www.taborhill.com
飲食だけでなく、ブドウ畑の徒歩ツアーもあるそうだ。
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Lake Michigan Shore Wine Trail シリーズは、まだまだ続きます。
これまで回った他のワイナリーについては、次の記事をどうぞ。
カルマビスタ ワイナリー (Karma Vista Winery @Coloma, Michigan)
コンテッサ ワイナリー(Contessa Winery @Coloma, Michigan)
ワーナーワイナリー(Warner Winery @Paw Paw, Michigan)
ドメインベリエン(Domaine Berrien Cellars)
フリーラン(Free Run Cellars)