さて今回は、ヘミングウエイが夏を過ごした北ミシガン、ペタウスキー(Petoskey)のダウンタウンのレストランのひとつ、City Park Grill 。ヘミングウエイはここによく来ていたそうだ。だが、当時はここはレストランではなく、ビリヤード(玉突き)場(billiard hall)プラス、バー(bar)だったそうだ。地下室にはボーリング場(bowling alley)もあった時もあったとか。
ダウンタウンの東端にある。
ヘミングウエイは、玉突きをして、バーに座って酒を飲んで、そうしながら、短編小説の構想を練っていたそうだ(彼は最初の頃は、短編小説ばかりを、たくさん書いた)
ここにも、まるでアメリカの警察官のバッジのようなサインが。
近くの公園では、ボクシング試合(bare-knuckle boxing)を観戦して楽しんだ、とのこと。bare-knuckle boxingというのは、ボクシングのグラブなどを一切はめず、素手でやるボクシングだそうです。そういうことが、観光地のダウンタウンの公園で行われていたというのが、時代を感じる。今では考えられない! たった100年で世の中は随分変わる。
ペタウスキーのダウンタウン。
この町は、意外に古くから、(特にシカゴ方面の中流階級以上の人たちにとって)夏のバカンス地だったらしい。
蒸し暑いシカゴ地方の夏を避けて、涼しい夏を北ミシガンに求めて人々がやって来始めたのは19世紀後半。フェリーと鉄道が発達したおかげだが、1900年初頭には、なんと10万人以上もの避暑客が毎夏訪れる大リゾート地となっていたそうだ!
よく考えてみれば、当時は、エアコンなんてなかったのだった(扇風機さえもまだなかった!)。今はそういうものが当然のごとく存在するので、避暑に出かけるという意味が、すぐにはピンと来ない。シカゴ辺りがどれだけ暑かったことやら。北ミシガンなら、さらりと涼しい夏で、さぞ気持ちよかったことであろう。
ダウンタウン。
高級ブテイックが多い。それも、おばんっぽいファッションのお店が多い(失礼!)
高級車もよく見かける。ここに来るのは裕福・年配の米人が多いんだろうな、と推察される。
さて、City Park Grillレストランの中に戻りましょう。
週末だったので、大入り満員でした。
メニューにはもちろん、ヘミングウエイの写真が。彼がここによく来ていたことが紹介されている。
彼は釣り(fishing)や狩猟(hunting)が大好きだったそうだ。パイプを口にくわえて、これも時代を感じるね。
パイプ、昔、流行ってました(私が小さい頃、私の父も、父の友人も、みな、パイプをくゆらせていた)
これ、何才頃の写真かな? まだほっそりとしてて、後年のあの貫禄は、まだ感じられない。
ビリヤード場は今はないが、バーはまだある。ヘミングウェイの写真が飾ってある。
若い彼はここに座って飲んでいたのですねえ
これこれ! 多くの人にとってヘミングウエイのイメージは、まさにこの、でっぷりとしてあごひげをたくわえた、「Papa Hemingway」。彼は「アーネスト(Earnest)」という本名をあまり好きでなく、代わりに「パパ」と呼ばれるのを好んだとのことである。
「A Man of the World」という短編は、このバーで生まれたそうだ。私はまだ読んだことがない。近いうちに読むつもりです。 貴方は読んだことある?
壁や天井が、浮き彫りの金属シートで覆われている。ブリキ(tin)なんでしょうか、何?
100年〜150年ほど前の建物のインテリアに、こういうの、多いですね。
このレストランは1875年築。
Petoskeyに近いTraverse Cityのワイントレイル、Leelanau Peninsular 産の白ワインを頼む。ローカルビジネスをサポートしなくっちゃ! 北ミシガンの白ワインは美味しい。
このレストランは、決して高くないのも、いいです。
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さてさて、ヘミングウェイ ゆかりのこの地の連載は、まだまだ続きますが、最近、とにかくバタバタしてて、1ヶ月に1度のペースで書ければいい方、という感じです。ボチボチとやって行きたいと思います(^^)。
ヘミングウェイは、Petoskeyのこの一帯を舞台に、ニック・アダムス(Nick Adams)という名前の若い男性を主人公にした短編をいくつも書いているが、ニック・アダムスは、ヘミングウエイ彼自身のことなのだそうです。
このレストランのサイト:cityparkgrill.com
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レストラン外観はそうでもないけど、
中は歴史を感じるね。
そうなんだね。当時は避暑というものが、
しっかりと意味のあったんだね。
ヘミングウェイの短編、興味出てきた~
そうですね。夏中避暑に出かける人々がいたようで、もちろんそういうのは裕福な人たちですね。暑い町に残ってせっせと夏中働かざるを得ない人もたくさんいたことでしょう、きっと。
Reblogged this on Vector Charley and commented:
You do not need to read Japanese to enjoy this article.
Hahaha! Thank you!