ミシガン湖ビーチの探訪は、まだまだ続く。
今回は、ミシガン南西部のウオーレン大砂丘(Warren Dunes State Park)のすぐ傍にあるウエコビーチ(Weko Beach)。
ウオーレン大砂丘(Warren Dunes)は有名だから、これを読んでいる貴方も、多分知っているだろう。
でも、Weko Beachの方は、知っている人、何人いるだろうか?
私は、近くの町セントジョセフ(St. Joseph)に2年間住んだ時に、たぶんWeko Beachに一度は来ているのだが、すっかり忘れていた。最近、Warren Dunesに久しぶりに行ったついでに、このビーチにも寄ってみて、その良さにあらためて開眼した、という次第。
Wekoというのは、このビーチに最初のビーチハウスを立てた地元の人の名字。(現在のビーチハウスはもちろん後年に立て直したものだろう)。誰かの名前が公園やビーチに付けられるのは、よくあること。
Weko Beachは、Warren Sand Dunesのすぐお隣さん。
この辺(インデイアナとの州境に近いミシガン南西部)は、湖に沿って砂丘が続く。
Weko Beachも、Warren Sand Dunesも、山に例えれば、ひとつの山脈に属する二つの峰のようなもの。
この辺のビーチの砂は黄金色で、「golden sand beaches」と形容される。
4月末だったので、人がビーチに繰り出している写真はないが、美しいビーチであることは分かると思う。
晴れた日には、たまに、シカゴのskyscrapersが遠くかすかに見えることがあるそうだ(ほんとかなあ。半信半疑)。
Weko Beachのビーチハウス(写真中央)。中にカフェがある。
Memorial Day(5月下旬) からLabor Day(9月初旬)までの間(つまり夏の間)営業。サンドイッチ、サラダ、アイスクリーム、飲み物などを売っている。
これを書いている今頃(7月)は、さぞ、お客でごった返していることだろう。
ビーチハウスにはデッキがあり、湖とビーチを眺めながら戸外での食事ができる。
中をのぞいてみる。4月だから閉まっているのだが、スピーカーやマイクが置いたままにしてある。
夏の日曜日の午後には無料のコンサートがこのビーチで催されるそうだから、そのためのものだろうか。
ビーチハウスだけでなく、ピクニック用テーブル、バーベキュー用グリルももちろんある。
お湯の出るシャワーもあるとのこと。これはいい!
あんまりアウトドア派でない私のような人間でも楽しめそうな設備が行き届いていて、それでいて、ゴテゴテしていないビーチだ。
ビーチの駐車場をぐるりと囲むように大きな砂丘がそびえ立つ。木の階段(wooden stairs)やboardwalksが作られているので、砂に足を取られずにてっぺんまで楽々上って行ける。
砂丘の頂上からの眺め。
貴方も思わず「すごい!」と感嘆すること、間違い無し。
私のカメラでは捉えきれていないが、「spectacular」という形容がピッタリの壮観である。
駐車場で車を下りたら砂丘を上る階段がすぐなので、便利。
ビーチのシーズンでなくても、砂丘を上るだけでも来る価値有り、だ。
広々とした駐車場。
でも、夏は、すぐ満杯になるそうだ。午前11時くらいまでに到着しないと、駐車スペースを見つけるのに苦労する、ということだ。
毎年6月の夏至の頃(第3週目の土曜日)には、ここで、ミシガン南西部のワイントレイル(Lake Michigan Shore Wine Trail) のワイン祭り、(Lake Michigan Shore Wine Festival) が開かれる。今年(2012年)で7回目だったそうだ。ビーチを横目に地元ワインの試飲やオードブルのサンプル試食ができるというわけだ。私は今年行きたかったのだが、用事が入り行けなかった。残念。また来年。
秋(9月下旬)には、ビール祭り(Weko Beach Brewers Festival)もあるそうだ。今年(2012年)は9月29日(土)。地ビールの試飲、地元レストランの料理のサンプル試食をしてみたい方は、ぜひどうぞ。
ビーチハウスのテラスに、大きな石がひとつ置いてある。
こんな石を置いて、一体何だろう?
石碑のようだ。
この石に刻まれている詩と説明文が面白い。
「TAPS」とは、米軍で一日の終わりに吹かれる消灯ラッパ、または、戦死した軍人の埋葬時に吹かれるラッパ(bugler)のことだ。
5月下旬のMemorial Dayから9月初旬のLabor Dayまでの間、毎日、日没時に、このビーチでラッパによるTAPSの演奏が行われるそうだ(1名による演奏)。湖は西側だから、水平線上に日没が見られる。夏の夕日が水平線に沈むのを見ながらラッパの演奏を聞くのは、きっと、なかなかの風情だろう。(知らない人は、誰か戦死したのかな?と思うかも)
しかし、なぜこんなことが、このビーチで?
出席した息子の軍隊の卒業式で演奏されたTAPSを聞いた地元の女性が、Weko Beachで同じようなラッパ演奏が毎日あったら、さぞかし素晴らしいだろうと、1991年、あるラッパ演奏者を雇い、毎日、日没時に演奏させたのが、ことの始まりだそうである。(ということが石碑に刻んである)
TAPSは、私も貴方も、誰でも聞いたことのあるメロデイだ。YouTubeに、このビーチでのラッパ演奏を誰かがアップロードしているので、次のリンクをどうぞ。「ああ、あの曲か」ときっと思う筈。
YouTube : Taps at Weko Beach
*************************************
この地域はインディアナ州境に近く、シカゴからは90分もあれば着く。
デトロイトからも3時間以内で着く。
シカゴ、デトロイトのどちらにとっても、気軽に行ける近場のビーチ。
近年、フェスティバルが増えたこともあり、夏はこの地域全体が楽しい雰囲気である。
Weko Beachはブリッジマン(Bridgman)という小さな町にある。I-94をexit 16で下り、レッドアローハイウエイ(Red Arrow Highway)から入口に入る。
入場料(駐車料)7ドル
キャンプもできるそうだ(4月〜10月半ば)。70のサイトがあるとのこと。電気と水道付きのサイトと、電気付き(水道なし)のサイトがある。
丸太小屋(log cabin)が6つあるので、キャビンを借りてみたい方は、次のリンクへどうぞ。ベッド1台と2段ベッド、1室、電気付きで1泊50〜60ドル。キャビンはEメールで予約できる(キャンプ場の方は予約不可だが)。
http://www.bridgman.org/-CampBeach.php
ただし、キャビンで宿泊を経験した人の評価で、「夜は蚊などの虫がブンブン電灯に寄ってきた」というのがあったので、それなりの準備と覚悟は必要かも。
カヤック(kayak) やボートが好きな人は、Weko Beachの北サイドに行くと良い。湖に乗り出せる乗船場 (boat ramp area)があるそうだ。詳細は次のリンクで:
http://www.eyeonmichigan.com/guides/bridgman/
中西部には、一見地味で、私たち外国から最近やってきた者は知らないが、米国人には大変人気がある(そして、ほんとに結構良いので、米国人に人気がある理由が分かる)所がたくさんあるものだが、Weko Beachも、そのひとつと言えるだろう。